今回の記事は、役務提供型契約Ⅰとして、「雇用契約」と「請負契約」についてです。
01 雇用契約
雇用契約とは、当事者の一方(被用者)が、相手方(使用者)に「労働に従事する」ことを約束し、相手方が「労働に対する報酬」を支払うことを約束することによって成立する契約です。
被用者(例:従業員):労働に従事する
使用者(例:事業主):労働に対する報酬(例:給料)を支払う
使用者(例:事業主):労働に対する報酬(例:給料)を支払う
※「雇用契約」においては、被用者が使用者に、従属する点が特徴です。
被用者(労働者)は、その約束した労働を終わった後でなければ、報酬を請求することができないとされています。
平たくいうと、労働者の給料は後払いが原則とされているということです。
02 請負契約
「請負契約」とは、当事者の一方(請負人)が「仕事を完成する」ことを約束し、相手方(注文者)が「仕事の結果に対する報酬」を支払うことを約束することによって成立する契約のことです。
注文者:仕事を注文し、「仕事の結果に対する報酬」を支払う
請負人:「仕事」をし、「完成」する
請負人:「仕事」をし、「完成」する
※「雇用契約」と違って、「請負契約」においては、請負人は注文者から独立した関係にあります。
請負契約の報酬は「仕事の目的物の引渡し」と同時に支払わなければなりません。
つまり、「報酬」と「目的物の引渡し」は同時履行の関係にあります。
「報酬」と「目的物の引渡し」が同時履行の関係にあることについて、詳しくは下記のリンクからどうぞ▼
a.請負人の担保責任(契約不適合責任)
平成29年民法改正により、「請負人の担保責任」の規定が大幅に削除されました。
そして、「請負人の担保責任」は「売買契約の契約不適合責任」が適用されることになりました。
「売買契約の契約不適合責任」について、詳しくはこちらからどうぞ▼
b.請負契約の終了
「請負契約」は、以下の理由によって終了します。
通常の終了原因 | ①仕事の完成 ②債務不履行による解除(541条・542条) ③担保責任による解除(559条・564条) |
請負特有の終了原因 | ①注文者による解除(※1) 【仕事未完成の間の注文者の解除】 請負人が仕事を完成しない間は、注文者はいつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。(641条) |
②注文者の破産による解除(642条) 注文者が破産手続開始の決定を受けたときは請負人or破産管財人は契約を解除できる |
※1 途中で不要になった建物を完成させる意味がありませんので、注文者は損害を賠償して解除できます。
以上、役務提供型契約Ⅰとして、
01 雇用契約
02 請負契約
a.請負人の担保責任(契約不適合責任)
b.請負契約の終了
02 請負契約
a.請負人の担保責任(契約不適合責任)
b.請負契約の終了
・・・についてでした。お疲れ様でした。