民法/物権-物権的請求権,物権変動

物権-物権的請求権、物権変動 物権総則

今回の記事は、民法/物権の基礎についてです。

01 物権とは?
 a.物権の種類
02 物権的請求権
03 物権変動
民法全体の位置付けとしては、赤い四角枠のところです。
民法>物権>総則

01 物権とは?

物権とは、土地や建物などの一定の物を支配して利益を受けることのできる権利のことです。

たとえば、パソコンを買った人は、そのパソコンに対して所有権という物権を持つことになり、自由に使ったり、誰かに貸したり、自由に処分することができます。

【物権】物に対する権利で、誰に対してでも主張することができます。
【債権】特定の人に対する権利で、契約の相手方(不法行為の場合は加害者)にしか、主張できません。

a.物権の種類

物権は、排他性を有するとても強い権利です。
なので、国民が勝手に物権を作ってしまうわけにはいかず、法律で定めるものの他は、物権を創設できないとされています。

【物権法定主義】
物権は、法律で定めるものの他は創設できないとされています。
これを、物権法定主義といいます。

そして、法律で定められた物権の種類は、次のとおりです。
占有 ※現実に物を支配しているという事実状態を「占有」という 占有権
本権   所有権
制限物権 用益物権   地上権
  永小作権
  地役権
  入会権
担保物権 法定担保物権 留置権
先取特権
約定担保物権 質権
抵当権

※占有権の具体例:
服を着てればその人は、その服を占有している状態です。
靴を履いていれば、靴を占有している状態です。

物権の種類

まだ、民法/物権の学習が進んでいない方は、ザックリ全体像を見ておく程度で大丈夫です。

学習が進んでいったときに、どの箇所をやってるのかの確認をしたくなったときに、上記の表を見直すと、わかりやすいと思います。

02 物権的請求権

物権的請求権とは、物権を支配している状態は妨害されたり、又は妨害されるおそれがある場合に、物権をもっている人が妨害の排除又は予防のために、「一定の行為をしてくれ」又は「一定の行為をしないでくれ」と請求できる権利のことです。

物権的請求権には、次の3つがあります。

妨害排除請求権 物権に妨害があるときに、妨害をしている相手に対し、その妨害の排除を請求する権利
妨害予防請求権 物権に妨害が将来発生するおそれがある場合に、それを防止しうる地位にある人に対して、その防止を請求する権利
返還請求権 物権ある目的物を喪失した場合に、法律上の正当な根拠なく物を占有する人に対してその返還を請求する権利

物権的妨害排除請求権のイメージ図

物権的妨害排除請求権とは、物権に妨害があるときに、妨害をしている相手に対し、その妨害の排除を請求する権利のことです。
物権的妨害排除請求権のイメージ図としては、このようになります。

物権的妨害排除請求権

物権的妨害予防請求権のイメージ図

物権的妨害予防請求権とは、物権に妨害が将来発生するおそれがある場合に、それを防止しうる地位にある人に対して、その防止を請求する権利のことです。
物権的妨害予防請求権のイメージ図としては、このようになります。

物権的妨害予防請求権

物権的返還請求権のイメージ図

物権的返還請求権とは、物権ある目的物を喪失した場合に、法律上の正当な根拠なく物を占有する人に対してその返還を請求する権利のことです。
物権的返還請求権のイメージ図としては、このようになります。

物権的返還請求権

03 物権変動

物権変動とは、物権の発生・変更・消滅のことです。
たとえば、

・長年、占有していた土地を時効取得で取得することになり、物権が発生した。
・逆に、長年他人が、自分名義の土地を占有し続けていて、ほっておいたせいで、相手方が時効取得してしまい、物権が消滅した。
・土地や建物などの不動産を買った場合に、法務局で登記名義人の変更手続きをする。
・・・というような場合に、物権変動が起こります。
 
詳しくは、こちらのリンクからどうぞ▼

以上、民法/物権の基礎についての、

01 物権とは?
 a.物権の種類
02 物権的請求権
03 物権変動
・・・でした。お疲れ様でした。
タイトルとURLをコピーしました