今回の記事は、不動産物権変動Ⅰとして、
01 不動産物権変動と登記
02 民法177条の「第三者」
第三者にあたる・あたらない例
02 民法177条の「第三者」
第三者にあたる・あたらない例
・・・についてをイラスト図解付きでわかりやすく解説しています。
「不動産物権変動」については、この記事以外に、ⅡとⅢがあります。
【不動産物権変動Ⅱ】
取消しと登記,解除と登記
取消しと登記,解除と登記
【不動産物権変動Ⅲ】
取得時効と登記,相続・遺産分割と登記
取得時効と登記,相続・遺産分割と登記
今回は、『不動産物権変動Ⅰ』です。
01 不動産物権変動と登記
土地や建物の不動産には、国が「登記制度」というものを設けています。
「登記制度」は、たとえば、土地を購入したとき、法務局で「所有権」の登記をします。
このように登記しておけば、その不動産の所有者がわかるという仕組みになっています。
ここから、この「登記制度」を踏まえて、不動産物権変動について、イラスト図解付きでわかりやすく解説します。
不動産物権変動と登記のイラスト図解
①A所有の土地について、Bとの売買契約が成立しました。
(ここで、AからBへの物権変動が起こります。)
(ここで、AからBへの物権変動が起こります。)
②そして、AとBは共同で、AからBへの登記名義人の変更手続きをします。
(具体的には、法務局で名義変更の登記手続きをします。)
(具体的には、法務局で名義変更の登記手続きをします。)
③法務局は、名義変更の登記申請にしたがって、登記記録の書き換えをします。
このように、不動産の物権変動があれば、法務局で登記していきます。
不動産登記をしておかなければ、せっかく所有権を手に入れたBは、所有権を主張できません。
これは、民法177条で「不動産に関する物権の得喪及び変更は、その登記をしなければ、第三者に対抗することができない。」としているからです。
02 民法177条の「第三者」
では、177条の「第三者」とは、どのような者があたるのかが問題となります。
【177条の第三者とは?】
※印の項目は、まだ学習していない箇所ですので、今は気にしなくて大丈夫です。
第三者にあたる例 | 第三者にあたらない例 |
①二重譲渡の譲受人 | ①当事者及びその相続人 ※ |
②抵当権,地上権等の制限物権者 ※ | ②無権利者 ※ |
③対抗要件を具備した賃借人 ※ | ③不法占有者(不法占拠者) |
④差押債権者 ※ | ④背信的悪意者 |
この「第三者にあたる例」と「第三者にあたらない例」について、イラスト図解付きでわかりやすく解説します。
第三者にあたる・あたらない例のイラスト図解
第三者にあたる例-二重譲渡の譲受人
「177条の第三者」にあたる例の一つで、「不動産の二重譲渡」をイラスト図解付きでわかりやすく解説します。
①土地の所有者Aは、Bに土地を売却しましたが、登記名義はAのままにしていました。
②Aは、登記名義がまだ自分(A)になっているのをいいことに、Cに対しても同じ土地を売却しました。(Aは、二重譲渡をしたわけです。)
そして、登記名義をCへ移しました。
そして、登記名義をCへ移しました。
③この場合、
登記しなかったBは、Cに対抗できません。(Bは、Cに対して所有権を主張できない)
登記したCは、Bに対抗できます。(Cは、Bに対して所有権を主張できる)
これは、Cが177条の第三者にあたるからです。
登記しなかったBは、Cに対抗できません。(Bは、Cに対して所有権を主張できない)
登記したCは、Bに対抗できます。(Cは、Bに対して所有権を主張できる)
これは、Cが177条の第三者にあたるからです。
契約の先後ではなく、登記の先後で、勝ち負けを決めるってことがポイントです。
Bは、売買契約で、せっかく所有権を手に入れたはずでしたが、登記をしなかったばっかりに、ペナルティを受けた感じです。
第三者に当たらない例Ⅰ-不法占有者
「177条の第三者」にあたらない例の一つで、「不動産の不法占有者(不法占拠者)」についてをイラスト図解付きでわかりやすく解説します。
①土地の所有者Aは、Bに土地を売却しましたが、登記名義はAのままにしていました。
②Bが購入した土地には、不法占有者Cが、土地に家を建てて、不法占拠していました。
③Bは、不法占拠者Cに対して、登記しなくても所有権を主張することができます。
理由は、不法占有者(不法占拠者)は、177条の第三者にあたらないからです。
なので、Bは、Cに対して登記なくして対抗できます。
理由は、不法占有者(不法占拠者)は、177条の第三者にあたらないからです。
なので、Bは、Cに対して登記なくして対抗できます。
第三者にあたらない例Ⅱ-背信的悪意者
「177条の第三者」にあたらない例の一つで、「背信的悪意者」についてをイラスト図解付きで、わかりやすく解説します。
①土地の所有者Aは、Bに土地を売却しましたが、登記名義はAのままにしていました。
②Aは、その後Cに対しても同じ土地を売却し、Cは登記を入れました。
ちなみに、Cが土地を購入した目的は「土地を購入したが、まだ登記していないB」に対し、高値で売りつけてやろうと考えてのことでした。つまり、Cは背信的悪意者でした。
ちなみに、Cが土地を購入した目的は「土地を購入したが、まだ登記していないB」に対し、高値で売りつけてやろうと考えてのことでした。つまり、Cは背信的悪意者でした。
③Bは、背信的悪意者Cに対して、登記しなくても所有権を主張することができます。
理由は、背信的悪意者は、177条の第三者にあたらないからです。
なので、Bは、Cに対して登記なくして対抗できます。
理由は、背信的悪意者は、177条の第三者にあたらないからです。
なので、Bは、Cに対して登記なくして対抗できます。
以上、
01 不動産物権変動と登記
不動産物権変動と登記のイラスト図解
02 民法177条の「第三者」
第三者にあたる・あたらない例のイラスト図解
第三者にあたる例-二重譲渡の譲受人
第三者に当たらない例Ⅰ-不法占有者
第三者にあたらない例Ⅱ-背信的悪意者
不動産物権変動と登記のイラスト図解
02 民法177条の「第三者」
第三者にあたる・あたらない例のイラスト図解
第三者にあたる例-二重譲渡の譲受人
第三者に当たらない例Ⅰ-不法占有者
第三者にあたらない例Ⅱ-背信的悪意者
・・・でした。お疲れ様でした。