今回の記事は、「債権」についてです。
債権とは、特定の人が、別の ” 特定の人に対して一定の行為を請求することができる権利 ” のことで、簡単にいうと「人に対する権利」です。
この「債権」に関する、
a.債権債務の発生
契約で発生する債権債務(売買を例)
契約以外で発生する債権債務(不法行為を例)
02 債権の種類
a.特定物債権
特定物の例-中古車
b.不特定物債権(種類債権)
不特定物の特定
01 債権と債務
債権とは、たとえば、AさんがBさんにお金を貸した場合に、「Aが、Bに対して返済を請求できる権利」などのように、「人に対する権利」のことです。
そして、債務とは、「Bは、Aに対して返済する義務」を負いますが、この「返済する義務」のことを債務といいます。
すると、
・AにはBに対する「返済を請求する債権」が発生し、
・Bは、Aに対する「返済する義務を負う債務」が発生します。
a.債権債務の発生
債権債務の発生は、上記の例でいうと、「金銭消費貸借契約」というように『①契約で発生する場合』がありますが、『②契約以外で発生する場合』もあります。
契約で発生する債権債務(売買を例)
例として、「売買契約」によって発生する債権債務について、解説します。
・AはBに対し『代金債権』が発生し、BはAに対し『代金支払い債務』を負うことになります
・BはAに対し『土地の引渡債権』が発生し、AはBに対し『引渡し債務』を負うことになります
契約以外で発生する債権債務(不法行為を例)
契約以外で発生する債権債務の例として、不法行為の場合を解説します。
・Aは、Bに対し『損害賠償債務』を負うことになります。
・Bは、Aに対し『損害賠償請求権』という「債権」が発生します。
02 債権の種類
債権とは、” 人に対して一定の行為を請求することができる権利 ” のことですが、じゃあいったい「何を目的にして請求できる権利なのか?」は、契約の内容によって違ってきます。
「何を目的にして請求できる権利なのか?」つまり、債権の種類には、次の2つがあります。
b.不特定物債権(種類債権)
a.特定物債権
「特定物」とは、その物の個性に着目して引渡しの対象とされた物のことで、「特定物債権」とは、この「特定物」の引渡しを目的とする債権のことです。
「債権の目的」が特定物の引渡しであるときには、債務者は、その「債権の目的物の引渡し」をするまでは、善良な管理者の注意をもって、その物を保管しなければなりません。
特定物は、世の中でたった1つの物なので、債務者には、引き渡すまで慎重に取り扱うという「善管注意義務」が課せられるわけです。
特定物の例-中古車
「特定物」の例としては、「中古車」がそれに当たります。
逆に、そのメーカーの同車種の「新車」なら、他に何台も存在しますが、「中古車」はその1台しか存在しません。
なので、「中古車」は「特定物」となります。
b.不特定物債権(種類債権)
「不特定物」とは、その物の個性に着目せず引渡しの対象とされた物のことで、種類と量を指定して取引するので、不特定物債権・種類債権といいます。
不特定物の特定
不特定物債権(種類債権)の場合、その不特定物(種類物)が市場に存在する限り、債務者の調達義務がいつまでも続くことになります。
そこで、不特定物(種類物)であっても、どこかのタイミングで「これ!」と特定していくことになります。
不特定物(種類物)を「これ」と特定していってはじめて「引渡し」ができるようになります。
Aは、Bに「◯◯ビールの、瓶ビールを1ダース」と注文しました。
そして、Bは、注文された1ダースのビールを、Aに配達しました。
これで、特定したことになります。
債務者が債権者の所まで持参する場合(持参債務)には、
『持参して提供したとき』に特定され、
債権者が債務者の所まで取りに行く場合(取り立て債務)には、
債務者が『目的物を準備・分離・通知したとき』に特定されます。
以上、債権の目的に関する、
a.債権債務の発生
契約で発生する債権債務(売買を例)
契約以外で発生する債権債務(不法行為を例)
02 債権の種類
a.特定物債権
特定物の例-中古車
b.不特定物債権(種類債権)
不特定物の特定