「連帯債務」についてのyoutube動画を作成しました。
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多数当事者の債権債務の関係には、
②連帯債務
③不可分債務
④保証債務
・・・があります。
今回の記事は、多数当事者の債権債務Ⅰとして、分割債務・連帯債務・不可分債務についてを解説しています。
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01 分割債務
次の「02 連帯債務」のほうが重要な位置づけです。
ただ、「連帯債務」を理解しやすくするために、この「分割債務」を軽く確認しておいて下さい。
このような『各自100万円ずつの債務』のことを「分割債務」といいます。
この場合に、A・B・Cはそれぞれ100万円ずつの債務を負うことになります。
A・B・Cは各自100万円ずつの分割債務しか負っていないからです。
このように「分割債務」では、債権者にとっては、不利益になってしまう可能性があります。
なので、債権者がより確実に債権を回収できるよう「連帯債務」の制度が設けられています。
そして、次の「連帯債務」のほうが、試験出題としても重要です。
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02 連帯債務
「連帯債務」は、数人の債務者が、同一内容の給付について、各一人一人が独立に ” 全部の給付をするべき債務 ” を負っています。
先程の「分割債務」では『A・B・C3人は、それぞれ100万円ずつの債務を負う』でしたが、
この「連帯債務」では『A・B・C3人は、それぞれ300万円全額の債務を負う』ことになります。
なので逆に、仮に、数人の債務者の内の一人が全部の債務の給付をすれば、他の債務者の債務もすべて消滅します。
債権者Xは、A・B・Cの内の一人に対して、300万円全額を請求することができます。
・債務者Aの債務:300万円 / Aの負担部分:100万円
・債務者Bの債務:300万円 / Bの負担部分:100万円
・債務者Cの債務:300万円 / Cの負担部分:100万円
A・B・Cは、それぞれが300万円全額の債務を負っているからです。
>>『債権/契約以外の債権発生原因Ⅱ/特殊的不法行為/共同不法行為』へ戻る
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a.負担部分と求償権
数人で「連帯債務」を負うときには、各債務者が最終的に「負担する部分」があります。
上記の例でいうと、3人で300万円の連帯債務を負うときに、負担部分が平等とされていたのなら、3人それぞれの負担部分は、100万円ずつとなります。
そして、全額を弁済した債務者は、他の債務者に対して負担部分に応じて「求償」することができます。
そして、3人それぞれの負担部分は、100万円ずつなので、Aは、BとCに対して、100万円ずつ「求償」できます。
・Aは、Bに対して→100万円求償できる
・Aは、Cに対して→100万円求償できる
b.連帯債務者の1人に生じた事由の効力
連帯債務者の1人に生じた事由は、他の連帯債務者には影響しないのが原則です。(相対効の原則)
しかし、ある一定の場合には、例外的に『絶対的効力』が生じます。
相対効 (441条) |
履行の請求 例:債権者Xが債務者Aにだけ、裁判上で請求を提訴した →XとAの間でのみ、「時効の完成猶予」となります。 |
承認 例:債務者Aだけが、債権者に対して債務の承認をした →XとAの間でのみ、「時効の更新」事由となります。 |
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免除 例:債権者が、債務者Aにだけ、債務の免除(返済しなくていい)とした →債務者Aの債務だけが、消滅します。 |
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時効の完成 例:債務者Aだけが、消滅時効が完成した →債務者Aの債務だけが、消滅します。 |
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絶対効 (438条~440条) |
弁済・代物弁済 例:債務者Aが、債権者に弁済した →Aだけでなく、他の債務者B・Cの債務も消滅します。 |
混同 例:債務者Aが亡くなって、債権者XがAを相続した →Aだけでなく、他の債務者B・Cの債務も消滅します。 |
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更改 例:債務者Aの債務を消滅させ、Aの車の引渡し債務を発生させる契約をした →Aだけでなく、他の債務者B・Cの債務も消滅します。 |
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相殺 例:債務者Bが債権者に対し債権を持っている場合 【相殺当事者が相殺を援用した場合】 相殺した分、全員債務を免れます。 【相殺当事者が援用しない場合】 他の債務者は、その連帯債務者(援用権者)の負担部分の限度で、債権者に対して履行を拒むことができますが、相殺権を援用することはできません。 |
援用権者である債務者が相殺を援用しない間は、その負担部分の限度において、他の連帯債務者は債権者に対して「債務の履行を拒む」ことができます。
これまでは、他の連帯債務も相殺の援用ができたのですが、民法改正がありました。
他人の権利を援用するとか、「他人の権利をいじるのはダメだよ」というベクトルに向いた改正となりました。
連帯債務の絶対効ゴロ合わせ
連帯債務の絶対効は、弁済 混同 更改 相殺 です。
覚え方としては、「ベーコン買いそう!」です。
弁済 | 混同 | 更改 | 相殺 |
べー | コン | 買い | そう! |
弁済 | 混同 | 更改 | 相殺 |
例: 債務者Aが、債権者に弁済した |
例: 債務者Aが亡くなって、債権者XがAを相続した |
例: 債務者Aの債務を消滅させ、Aの車の引渡し債務を発生させる契約をした |
例: 債務者Bが債権者に対し債権を持っている場合 |
Aだけでなく、他の債務者B・Cの債務も消滅します。 | Aだけでなく、他の債務者B・Cの債務も消滅します。 | Aだけでなく、他の債務者B・Cの債務も消滅します。 | 【相殺当事者が相殺を援用した場合】 相殺した分、全員債務を免れます。 【相殺当事者が援用しない場合】 他の債務者は、その連帯債務者(援用権者)の負担部分の限度で、債権者に対して履行を拒むことができますが、相殺権を援用することはできません。 |
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03 不可分債務
「不可分債務」とは、そのまんま「分けることができない債務」のことです。
逆に、『金銭債務』のように「分けることができる債務」は「可分債務」です。
不可分債務の例としては、
・共同して賃借している不動産の賃料支払債務
「不可分債務」については、外部リンク『司法書士ブログ/民法・債権/不可分債務』へどうぞ▼
以上、多数当事者の債権債務Ⅰとして、
02 連帯債務
a.負担部分と求償権
b.連帯債務者の1人に生じた事由の効力
連帯債務の絶対効ゴロ合わせ
03 不可分債務
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